スローガン

Think & Action!

2023年度
公益社団法人茅ヶ崎青年会議所
第56代理事長 木村 光太朗

【 基本理念 】

まちの明るい未来を描き、夢を語り合おう
人に何かを期待するのではなく、自らが先導者になろう
仲間と共に切磋琢磨し、想像力と行動力で地域経済の好循環を起こそう

【はじめに】

 私は、2016年3月にJCI茅ヶ崎に入会して以来、様々な機会を与えていただきました。JCI Missonにおいても、「JCは青年に発展と成長の機会を与えることを使命とする。」と謳っています。JCでの現役生活は、言うまでもなく有限です。40歳になれば卒業しなければなりませんし、会社や家族の都合で活動できなくなる時期もあるかもしれません。そうであるならば、JCに入会した以上、目の前の機会を一つ一つ確実に掴み取り、自己の糧にしなければなりません。そして、JCで培ったこの経験を私たちの故郷を、会社を、家族を幸福にするためのまちづくり運動に昇華させなければなりません。

 新型コロナウイルスの影響は言うまでもなく、これまでの価値観を大きく変えるきっかけとなりました。数年前までテレワークは一部の企業にしか当てはまらないと思われており、なかなか普及していませんでした。しかし、この3年間でテレワークやWEB会議は当たり前のこととなり、JCにおいても、それは突如として起こった意識変革でした。しかしながら、全てがWEBに置き換わったわけではありません。リアルで会えないことでの人間関係の希薄化は誰もが感じたと思います。業務の特性上、テレワークのできない、エッセンシャルワーカーの存在も再認識させられました。

 まちづくりもWEBだけでは達成できないことの一つだと思います。確かに、ある程度のことはPCの画面上でもできてしまうかもしれません。しかし、やはり私たちのまちづくりに懸ける想いと情熱を伝えるためには、人と人とが顔を合わせる機会と行動が必要だと信じています。まちづくりの根幹は「人」と「カネ」です。当然、まちに人が居なければまちづくりはできないですし、まちづくりに投資できる予算がなければ絵に描いた餅に終わってしまいます。新型コロナウイルスの影響は負の側面ばかりではありませんでした。湘南地域全体で都心や横浜方面からの移住者は増え、地価の上昇にまで影響を与えました。このようなチャンスのときこそ、私たちはまちづくりを行う青年経済人として、地域経済の活性化、そして、元からの市民はもちろんのこと、移住者にとっても愛すべき故郷・茅ヶ崎を創る責務があります。創立55周年を迎えた本年度は、地域内経済の好循環を目指した仕組みづくりを主なテーマとして掲げ、市内の様々なカウンターパートの皆様と関係構築しながら、人が、そして企業が集まるまちづくりを目指し、1年間運動展開して参ります。

【55周年とその先を未来を描いて】

 1968年12月、茅ヶ崎青年会議所は、平塚青年会議所をスポンサーLOMとして、全国で404番目のLOMとして誕生しました。2018年に創立50周年を迎えた12月、50周年記念式典において、新ビジョン「創造と革新が溢れるスローライフなまち」を発表しました。以前のビジョンである「みんなが集まるオシャレな海辺のまち」は、現在の茅ヶ崎のイメージをわかりやすく表しています。それだけ、先人たちによってビジョンの達成に向けた運動展開がなされてきた証左と言えます。新ビジョンでは、自然豊かで温暖な気候の中でのスローライフという茅ヶ崎らしさを残しつつも、創造性や革新性が溢れる人材や企業などが自然と集まり、そういった人材を育成し、人口減少社会においても持続的に発展と成長を遂げるまちとなることを宣言しています。今年度は、これまでの5年間の歩みを検証した上で、次の創立60周年に向けて創造性と革新性が生まれるまちづくりを目指すべく、運動を進めて参ります。

 そして、やはり子供達の存在は、これからのまちの未来を創る宝であることは間違いありません。子供を生み、育てやすいまちづくりは、持続可能なまちづくりをする上で非常に重要な点となります。茅ヶ崎市だけでなく、この湘南エリアでは移住者または移住の希望者が年々増え続けています。加山雄三さんやサザンオールスターズなどを筆頭に湘南サウンドが全国的にも有名となり、ハワイ州ホノルル市との姉妹都市提携もあり、「湘南」「茅ヶ崎」のブランドイメージは子育て世代の憧れの地と言っても言い過ぎではないと思っています。そういった方々が実際に茅ヶ崎に訪れた際、良いブランドイメージだけでなく、子育てにも手厚く、子育てのしやすいまちだと感じていただく運動を進めて参ります。その実現の一つとして、2021年からJCI日本が展開しているベビーファースト運動を拡げて参ります。

 大型ショッピングセンターに行けば、おむつの交換台や授乳室が当然のように備え付けられており、また、子供が走り回っても大きな事故なく快適に過ごせるというメリットがあります。まち全体としてそのような仕組みになっていけば、ショッピングセンターだけに多くの人が集まるということも自然と少なくなりますし、まちの商店にも人が集まり、ひいては、茅ヶ崎全体の地域経済の活性化につながるはずです。茅ヶ崎で産声を上げたローカルファースト運動は、2021年3月、日本商工会議所においても『「ローカルファーストの精神」を取り入れた地域まちづくり』が発表されました。ベビーファースト運動を最大限に活用することで、市内外の大型店舗やナショナルチェーンだけでなく、地元茅ヶ崎の商店にも足を運び、地域経済活性化の起爆剤となると確信しています。

 さらに、姉妹LOMであります、JCI津は創立70周年を迎えます。地理的にも文化的にも
異なる面が多いですが、私たちと同じく「明るい豊かな社会」の実現を目指して日々運動している同志との関係をさらに深めるべく活動して参ります。

【魅力あるまちづくりとは、個人個人の幸福度を上げること】

 先にも述べたように、茅ヶ崎市は移住者の多いまちであり、現在でも社会増による人口増加は続いています。また、新型コロナウイルスの影響によりテレワークが一般化し始め、職住近接によるライフスタイルの良さが改めて見直されています。しかしながら、茅ヶ崎市民は、市外の企業に就職する割合が比較的多いため、昼間人口が少ないまちと言えます。つまり、せっかく住環境の良い茅ヶ崎で暮らしていても、普段は首都圏や横浜などへ通勤し、スローライフな環境を楽しめるのは休日だけ、といった市民が多い状況でした。それでは仕事や家庭以外のことに目を向ける余裕も少なくなり、まち全体の活気は緩やかに下がってしまうかもしれません。親が普段疲れた顔を子供に見せていたら、子供はどう感じるでしょうか。「大人になりたくない。」「仕事なんてしたくない。」そのような子供は将来に希望を持てるでしょうか。そのような子供から創造性や革新性のある発想が生まれるでしょうか。

 そこで注目したいのが、ウェルビーイング(Well-being)という考え方です。これは簡単に言い換えれば、個人の「幸福度」または「生活満足度」と定義付けることができます。このウェルビーイングと企業経営を結び付け、従業員の幸福度や満足度を上げることがウェルビーイング経営という手法です。茅ヶ崎市内の企業がウェルビーイング経営を取り入れ、実践することにより、会社の生産性が上がり、また、従業員の満足度が上がることで、その企業に就職や転職したいという希望者も増える未来が想像できます。さらなる人口の社会増だけでなく、企業誘致や若者の起業にもつながると確信しています。市内企業の価値が上がることは、茅ヶ崎というまちが、この国だけではなく、世界にも誇れるまちになるはずです。茅ヶ崎市で暮らしてみると、「暮らしやすい、子育てがしやすい、そして仕事も近所でできる。」そのようなまちであるという、さらなるブランドイメージを創ることができるのです。ここに、ベビーファースト運動と併せた地域経済の好循環を実現致します。

【会員拡大は志を同じうする仲間を増やすこと】

【会員拡大は志を同じうする仲間を増やすこと】
 私が入会した当初は、80数名在籍していたJCI茅ヶ崎も現在では約半数まで減少してしまいました。一方で、昨年は現役の大学生に1名入会していただきました。地元の青年経済人が多く所属しているJCの中で若いうちから研鑽を積むことによって、経験だけでなく人脈も広げることができます。稀有な例かもしれませんが、経営者層を中心とした青年経済人を主要な構成メンバーとするJCですが、これからは、学生、主婦、会社員なども活躍できる、多様性溢れる組織づくりが必要な時代が迫っています。

 そもそも、なぜ会員拡大をする必要があるでしょうか。40歳で卒業を迎えるJCにおいては、常にメンバーを増やさないとメンバーが減少し、組織が次第に衰退してしまう、という側面があることは確かです。新型コロナウイルス感染拡大により人との対面が制限された
ことにより、従来の拡大活動も非常に難しくなってしまったことも事実です。しかし、そうではなく、JCの理念や運動に共感し、共にまちづくり運動ができるメンバーを増やし続けることが本来の意味での会員拡大だと思っています。JCを卒業後、地域の各所でご活躍されているOBの方々は茅ヶ崎だけに留まらず、全国、世界各地にいらっしゃいます。それだけ人材育成、指導力開発に長けた組織であることは言うまでもありません。職業、性別、国籍など関係なく、20歳から40歳までのまちを想うメンバーを増やし、JCをきっかけにこのまちを良くしていきたいと願う市民を増やしていくことが、真の意味での会員拡大です。今年は4年に一度の湘南4LOMまちづくり会議の幹事LOMを務めさせていただきます。平塚、藤沢、寒川の各LOMの皆様と共にこの会員拡大を全力で前進させていきます。

 また、新入会員や入会を検討している方に、魅力あるLOMとして感じてもらうためにも、情報発信は必須のことです。広報は1日にしてならずです。何をやってもうまく行かないこともあれば、反対に何気ない投稿が多くの共感や反発を生むこともあるかもしれません。「JCは何をやっているのかわらかない。」そう言われたことがあるのは私だけではないと思います。JCが持つ魅力やメンバー一人ひとりの顔を見える化することは必須であり、それは広報活動を通じてしかなし得ません。広報で重要なことは、他者の共感を生むストーリーを作ることができるかどうかです。本年度は、「共感」をテーマとした広報活動を行い、JC運動に賛同いただける市民を増やし、さらにはこの組織の一員となりたいという同志との出会いを求めて参ります。

【安心できる組織運営のために】

 組織が組織として内外から安心感を持って活動できるためには、総務、財務の役割は最重要と言えます。目立った事業を行うわけではないですが、式典、総会、理事会の設営など、会として重要なことを行っている陰には常に総務のメンバーが準備を行っています。JCをいくら頑張ってもそこで収入を得ることはできません。自身の会社経営にも活かせることはありますが、修練と奉仕を最も感じられるのが総務の役割であると思います。WEB会議やアジェンダシステムの導入などにより、これまでにはなかったJCの在り方がはっきりと見えてきた一方で、直接顔を合わせないことによるデメリットも見えてきました。ここ近年、これまで連綿と先輩諸兄が紡いできた組織運営と、これから先、未来志向の組織運営との間で模索しています。どちらの良い部分も取り入れつつ、誰もが活躍できる組織づくりを目指していく必要があります。JCは原則として会費収入を主な財源としていますが、正会員だけではなく、賛助会員や協賛企業の募集など、財源の拡大にも注力すべき時が来ています。

 そして、JC運動の効果を最大化するためには、事業計画段階で、「なぜこの事業をやるのか」「どのような目的でこの事業をやるのか」「そのためには何を手法としてなすべきなのか」といったことを考えなければなりません。その上で、その事業の費用対効果の検証が必要不可欠となります。
また、茅ヶ崎青年会議所が公益社団法人格を有して10年が経過しました。名前の通り、
毎年公益性のある事業を一定数設けなければなりません。一方で、公益社団法人を維持するための公益比率維持のための財務的な面も無視できません。全国のLOMでも年々公益社団法人から一般社団法人へ組織変更する例も増えてきました。私たちもすぐにその流れに乗る必要はありませんが、今後も持続的に組織を運営していくためにはどうすべきかを考える局面が来ています。公益社団法人が良いのか、一般社団法人が良いのかという二者択一で考えるべきではなく、私たちが先輩諸兄から受け継いできた創始の理念を大事にしつつ、その志を次世代に伝え、さらに私たちがこの団体の価値を上げ、将来に残すことが私たちの責務であります。

【結びに】

 JCは様々な経験を与えてくれ、出会ったことのなかった人との出会いや、これまで行ったことのなかった場所との出会いなど、多くの機会に触れ、成長することができます。JCメンバーは30代の経営者層を中心に構成されていますが、同世代の中で仕事とは別の事にこれだけの時間、お金、そして情熱を注いでいる団体は他にないと思います。それも自分自身や自社の発展のためだけでなく、他人やまちのことを想い行動を起こせるのがJCメンバーです。私たちは、55周年を迎えた本年、利他の精神で共感の連鎖を生む運動を展開して参ります。JCI茅ヶ崎が今後もさらに進化し、メンバー自身も成長し、さらには社会を動かし、まちを変えることのできる団体であり続けることを改めてここに宣言します。創立60周年を迎える2028年には、創造と革新が溢れるスローライフなまちとなることを必ずや実現します。共に進みましょう。

 青年らしく貪欲にあらゆる知識を取り入れ、想像力を働かせ、青年らしく無我夢中に行動と実践に移し、まちを、社会を、そして人の意識と行動に変革を起こしましょう。Think & Action!

《 事業計画 》

  1. 未来につながる55周年記念事業(55周年委員会)
  2. 人と地域経済の好循環化を目指すまちづくり事業(55周年委員会、社会開発委員会)
  3. 共感を呼び込む会員拡大(全体、拡大広報委員会)
  4. 共感と信頼を生む広報活動(拡大広報委員会)
  5. 広域連携を活かした湘南4LOMまちづくり事業(拡大広報委員会)
  6. 各種大会への参画、親子LOM、姉妹LOMとの交流事業(全体)
  7. 関係諸団体と連携し、地域に根差したまちづくり事業(全体)
  8. コンプライアンスと財務基盤強化を意識した組織運営(総務委員会)